ブログTOP > 2019.12.04

相続人を調査する

こんにちは。行政書士の甲田です。
今日は「相続人調査」についてのお話です。

相続手続きを進めていくと「相続人は何人ですか?」「どなたが相続されるのですか?」など相続人について聞かれることが多くなります。

「相続人なんて調べなくてもわかるよ。」とお考えの方が大半だと思いますが、相続手続きでは相続人を特定(証明)する必要があります。
銀行などは、相続人の証明がないと手続きを進めてくれません。

では、どのようにして相続人を「証明」するのでしょうか?
答えは「戸籍をたどる」です。

戸籍はその人の記録です。生まれたら戸籍に入り、結婚したら新たに戸籍を作り、死亡したら戸籍に記載されます。
戸籍を調べれば、その人がいつ生まれ、いつ結婚し、子供は何人で、、、、などが分かります。
もちろん、離婚も記載されます。
その他、養子縁組も記載されますので、相続人調査=戸籍の確認となります。

戸籍は「本籍地」の市町村役場で取得しますので、住所地と本籍地が異なる場合は注意が必要です。

戸籍には種類があります。
1. 戸籍謄本=現在の戸籍で全員が記載されています。
2. 戸籍抄本=現在の戸籍で戸籍中の一部の人の戸籍です。
3. 除籍謄本(抄本)=全員が戸籍から除かれた(除籍)記録です。
4. 改製原戸籍=法改正により戸籍を作り替えたときの、その元になる戸籍です。
5. 戸籍の附票=その戸籍にいる人の住所の履歴です。

例えば、親の相続を想定してみましょう。
相続が発生したら、まず相続人本人の戸籍を取得します。
戸籍には両親が記載されていますので、親との関係が証明されます。

次に、亡くなった親の生まれたときから死亡時までの戸籍を取得します。
戸籍・除籍・改製原戸籍謄本がこれにあたります。
生まれたときから死亡時までの戸籍をみれば、配偶者・子供が分かります。

兄弟がいる場合は、兄弟全員の戸籍を取得すれば親と兄弟のつながりが証明できます。

これが「相続人調査」です。

たとえは単純なケースですので、それほど大変ではないですが、、、。
先に記載した通り、戸籍は「本籍地」の市町村役場で取得するので、本籍地が数回変わっている方などは複数の役所で取得しなければなりません。
本籍地が遠い場合は郵送での取得が可能ですが、かなり面倒な作業です。
※取得先の役場に確認してから実行することをお勧めします

また、離婚歴がある方や養子縁組している方などは、集める戸籍が多くなる傾向がありますので、場合によってはかなり大変です。

当事務所でも、亡くなった方の相続人が兄弟数人、代襲相続人が甥・姪というケースがありました。
戸籍請求先の役所も日本全国で、十数か所ほどの役場から郵送で収集したこともあります。
我々専門家は日常業務なので慣れていますが、初めての方や慣れていない方にとっては重労働です。

不安がある方、面倒だと感じている方は、専門家に相談するのも選択肢の一つだと思います。

相続手続きは、時間が経つと億劫になります。
心当たりがある方は、早めに相談してみてください。

それでは、今回もご覧いただきありがとうございました。
次回もご覧ください。

 



相続人調査のことを書いている行政書士のブログです。