ブログTOP > 2020.01.05

登記されていないことの証明書

こんにちは。行政書士の甲田です。
今日は「登記されていないことの証明書」についてのお話です。

「登記されていないことの証明書」あまり馴染みのない書類だと思います。
私自身、行政書士になるまでは、その存在を知りませんでした。

では、登記されていないことの証明書とは何でしょうか?
こちらは成年被後見人や被保佐人等の登記がされていないことを証明する書類です。

証明書の前に「成年後見制度」について触れておかないといけませんね。
では、簡単に・・。

成年後見制度とは、知的障害や精神障害などにより判断能力が不十分な方を保護し、支援する制度です。
財産管理や身のまわりの世話、契約などの諸手続きを代わりに行うことにより、本人を守ることです。

成年後見制度は3種類に分かれています。
・後見=判断能力を欠く状況
・保佐=判断能力が著しく不十分な状況
・補助=判断能力が不十分な状況

家族などからの申し立てを受けた家庭裁判所は、成年後見開始の審判をすることができます。
審判の結果上記に該当する場合には、家庭裁判所は成年後見人・保佐人・補助人を選任することができます。
その場合、判断能力が不十分な方(本人)は成年被後見人・被保佐人・被補助人となり登記(成年後見登記制度)されます。
これが成年後見制度の概要です。


さて、肝心の「登記されていないことの証明書」とは、この成年後見登記制度により、登記されていないことを証明するものです。

ではなぜ、この書類が存在するのでしょうか?
登記されていないことの証明は、成年被後見人・被保佐人・被補助人ではないことの証明であり、判断能力が備わっていることの証明ともいえます。

大切な事柄を行う場合に、判断能力が不十分である人の判断で物事を進めていくと、不利益や損害を被る人が出てしまうので、この証明書は重要な役割を担っているといえます。

例えば、許可申請の中には、添付書類に「登記されていないことの証明書」を求められるものがあります。

当事務所でも、建設業許可や産業廃棄物収集運搬業許可の申請時に添付します。
個人事業主や法人の役員も対象となりますので、役員が多い会社は枚数も多くなりますね。


登記されていないことの証明書は法務局で交付を受けられます。
法務局の窓口請求だけでなく、郵送でも請求できます。
受付は法務局か地方法務局ですが、支局や出張所では取り扱いがありません。
郵送の場合は、東京法務局のみの取り扱いとなります。
※法務局や地方法務局のホームページをご確認ください。申請書などもダウンロードできます

手数料は1通300円です。
代理人も請求可能ですが、委任状が必要です。
その他、免許証などの本人確認書類も必要となります。


当事務所は長野地方法務局まで徒歩圏内なので、あまり苦労した記憶がありません。
もちろん、郵送請求をしたこともありません。
郵送請求は時間もかかりますし、書類チェックも入念にしなければなりませんので大変ですよね。

「登記されていないことの証明書」が必要になったら、ホームページを確認するか、電話確認してから行動することをお勧めします。
二度手間は心も身体も疲弊しますからね。

それでは、今回もご覧いただきありがとうございました。
次回もご覧ください。

 



登記されていないことの証明書のことを書いている行政書士のブログです。