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知って得する遺言の基礎知識
遺言とは
遺言とは、 遺言者が生前に自分が死んだ後にどうしてほしいかを意思表示し、死後の実現を確保するためのものです。
つまり、 自分が亡くなる前に自分の死後どのようにしてほしいかを明らかにして、その意思を尊重しようとする制度です。
遺言には厳格な方式が要求されています
遺言には、偽造や変造を防止するため、厳格な方式が法律で定められています。
万一、方式の不備があれば無効になる可能性もあります。
遺言を作成するには正確な知識が求められるということです。
遺言ができる年齢
民法には、「15歳に達した者は、遺言をすることができる」(民法第961条)と定められていますので、満15歳以上で遺言をする能力があれば誰でも遺言することができます。
遺言できること(遺言事項)
遺言は遺言者の意思を明確にできる優れた制度ですが、すべての事について遺言できるわけではありません。遺言できる主な内容は次の通りです。
1 | 相続分の指定または指定の委託(民法第902条) |
2 | 遺産分割方法の指定または指定の委託(民法第908条) |
3 | 5年を超えない期間の遺産分割の禁止(民法第908条) |
4 | 遺贈(民法第964条) |
5 | 遺贈の減殺方法の指定(民法第1034条) |
6 | 遺言執行者の指定または指定の委託(民法第1006条) |
7 | 相続人の担保責任の指定(民法第914条) |
8 | 未成年後見人・未成年後見監督人の指定(民法第839・848条) |
9 | 特別受益の持戻し免除(民法第903条3項) |
10 | 認知(民法第781条2項) |
11 | 推定相続人の廃除または廃除の取り消し(民法第893・894条) |
12 | 信託の設定(信託法第2条) |
13 | 祭祀承継者(主宰者)の指定(民法第897条) |
普通方式遺言の要件
遺言には【普通方式】と【特別方式】の2種類があります。
下記は普通方式遺言の要件をまとめたものです。
筆記者 | 証人 | 検認 | 作成費用 | 方式 | |
自筆証書遺言 | 遺言者本人 | 不要 | 必要 | 用紙・筆記用具・封筒代等ほとんどかからない | 遺言者が全文・日付・氏名を自書、押印する |
公正証書遺言 | 公証人 | 2人以上 | 不要 | 公証人手数料など数万円~ ※遺言内容などにより変動 |
遺言者が公証人に遺言内容を伝え公証人が筆記。 公証人が遺言者と2人以上の証人に対し筆記した内容を読み上げ、全員が署名押印する |
秘密証書遺言 | 遺言者(代筆可能) | 2人以上 | 必要 | 公証人手数料 11,000円~ |
遺言書を作成し遺言者が署名押印し封印。 遺言者が2人以上の証人立会いのもと公証人に提出し自身の遺言であることを申述し全員が署名押印する |
遺言書の検認
遺言書の検認とは
遺言書の検認とは、相続人に対して遺言書の存在、内容、日付、署名、押印などの状態を明らかにして遺言書の偽造、変造を防止する手続です。
公正証書遺言は偽造や変造のおそれが無いため、検認手続は不要です。
なお、検認手続は偽造、変造を防止するための手続であり、遺言の有効・無効を判断するものではありません。
検認手続きは家庭裁判所で行います
公正証書遺言以外の 遺言は、家庭裁判所で検認手続きを受けなければなりません。
遺言の保管者や遺言発見者は、遅滞なく家庭裁判所に提出して検認を請求しなければならないと定められています。
封印のある遺言の場合は、家庭裁判所で開封しなければなりません。遺言を発見してもすぐ開封せず、必ず家庭裁判所で手続してください。
遺言書を提出しなかったり、検認を受けなかった場合、家庭裁判所以外で開封した場合は、5万円以下の過料になる可能性があります。
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